メディア運営

techwave主催の最先端メディア論:セミナー内容まとめ

最先端メディア論

「最先端メディア論」についてお話を聞きました。

少ないリソースでものすごく愛されているメディアを作っているお二人のお話を聞くことができて、とても勉強になりました。
メディア運営をしている方やブログを書いている方には非常に参考になると思います。
また、インフルエンサーマーケティングをしている企業さんにも、依頼の仕方やインフルエンサーを理解するのにとても参考になりそうです。

以下、内容をまとめます。


良いWebメディアってどんなもの?良くないWebメディアってどんなもの?

話をしてくださったのは、塩谷舞さんと田中怜さん。
塩谷さんが編集長のmilieuは月間10万PV。
田中さんが編集長のHowto Taiwanは一年前にリリース。

2つのメディアに共通しているのは、Googleからの検索よりもSNSからの流入が多いことだそうです。
Howto Taiwanはinstagramからの流入が一番多く、milieuはTwitterからの流入が多いとのこと。

メディアのマネタイズに関しては、milieuは、記事広告が8割、バナー広告が2割。
記事広告だけのマネタイズだと息切れしてしまうそうです。

Howto Taiwanのすごいところを塩谷さんが力説。
「Howto Taiwanが本当にスゴい!インスタがスゴいんですよ!インスタジェニックじゃない写真でも、読者からのコメントの熱量がスゴい!台湾特集のTVや雑誌に出ていてスゴい!」
企画している「台湾女子ナイト」は1時間でチケットが完売になるほど。
さらにそれが新聞記事になったり、instagramでイベントの感想も上がったりしています。

Howto Taiwanの更新数は月5本程度で、スタッフは1~2人。ローンチは14ヶ月前。
短期間で少ない記事本数で、なぜここまで愛されるのでしょうか。

その理由の1つは、台湾に行く人のことを想ってるめちゃめちゃ丁寧な作り込まれていることです。
例えば、台湾のお店で指差しで注文できるようメニューの和訳がダウンロードできます。
台湾版SUICAも買えます。便利だし、安くなるのでお得です。

Howto Taiwanがスゴいところをまとめると以下です。

  • 「自信を持って紹介できるもの」しかしない。数より質。
  • 台湾語や電車の乗り方…痒いところに手が届く
  • 読者との距離が近い(運営主=ペルソナ)
  • 台湾への愛が強すぎる(10年異常台湾好きで留学経験あり)

痒いところに手が届かないメディアはたくさんあります。
「表参道店の情報しか載っていなかったけど、自由が丘店もあって、そっちのほうが近かったのに」ということもあります。
UXがごちゃごちゃになっていて、印象に残らないこともあります。
そうすると、二度と訪問されないメディアになるリスクがあります。

milieuは、自分の中での聖域、自分が全力でお勧めできるものしか絶対に載せないそうです。

「別に好きじゃない人が書いているんだな」というのが透けて見えてしまいます。

よくある新規Webメディアの問題点は、
「ターゲットは?マネタイズは?KPIは?ベンチマークは?企画書は?」
というところに時間を書けているところが多いことです。
その後、ロゴデザイン、コンセプト、掲載企画、サイトデザイン、アプリ、運用、編プロ、SNSなどが続きます。

ローンチイベントは重要ではありません。
華やかなローンチイベント後、話題に上らなくなるメディアもあります。
ローンチ詐欺みたいな。

メディア運営で大事なのは「運用」です。

反応を見て、改善を繰り返しているか?
記事が面白いかどうか?

というところが大切です。

600PVの記事でも、タイトルを変えて、フィーチャーするところを変えたら、すごく伸びるかもしれません。
大事なのはエゴサーチなどから分かる読者の反応です。

10本記事を出して、1本だけPVが伸びたら「何でだろう?どこから流入してるの?」ということをちゃんと確認することも大切です。

記事が面白いかどうかをどう担保するのでしょうか。
面白い記事・役に立つ記事は、明らかにシェア数が違います。
シェアされている記事から、ある程度学べます。
「バズる記事は才能がないと書けない」「文才がないから、面白いかどうかわからない」という人も、シェアはしています。

たとえば、はてブで「台湾 旅行」のキーワードで「50人以上」がブクマした記事を検索します。
すると、シェアされる記事の法則がわかってきます。
(個性ある記事を書く場合は、また筋力が違います。「バズる記事」と「記憶に残る記事」も種類が違います。)

こういうのをやりすぎると、記事が似てきてしまうので注意は必要です。

塩谷さんは、実家の両親に記事読んでもらって客観的に面白いかみてもらっているそうです。

インフルエンサーって、ワガママ?

インフルエンサーマーケティングをする企業さんにインフルエンサー視点で伝えたいこと。
「インフルエンサーマーケティングするぞ!」というとき、インフルエンサー側から「これは出来ません!」と主張され、なかなか折り合いがつかない時があります。
また、インフルエンサーは、UXにすっごくうるさいのです。「それだと読者が喜んでくれません!」「サイトにたどり着くまでの動線がややこしすぎます!」「スマホで画像がつぶれてませんか?!?!」

それはわがままなことなのでしょうか?

milieuは、自分じゃなくてもかける記事は書かない、自分で体験してみてフォロワーに合わなかったり記事にするレベルでなければ断るそうです。

良い記事を書く
⇒良い評判がくる
⇒読者が増える
⇒モチベーションあがる
⇒良い記事を書く
⇒ギャラも増える
⇒記事にお金かけられる
⇒良い記事を書く・・・
というスパイラルに入れるとHAPPYです。

逆に、
納得いかない記事をしかたなく出す
⇒悪い記事を出してしまう
⇒批判がめっちゃ来る
⇒読者が減る→謝罪を求められる
⇒自分のせいじゃないから謝罪しない
⇒反省しないヤツだと祭りになる
⇒5chでスレが立つ
⇒まとめられる
⇒検索して最初に悪評が出る
⇒選手生命の危機
という負のスパイラルに入ります。

「インフルエンサーは商品と自分を切り分けられないので、自分が納得していない記事をしぶしぶでも公開してしまうと炎上します。
インフルエンサーはUXに対してうるさい・ワガママなのではなく、どういう反応が来るかなどに関して「詳しい」のです。

「インフルエンサーマーケティング」とは、
「一個人が長年かかって積み重ねてきた信頼の空間にお邪魔して、ファンに向けて有益なことを一緒に発信して、ブランドを好きになってもらうマーケティング」
と辞書に載せてほしいです。

最近よくCMが炎上していますが、出演しているタレントさんが炎上しているわけではなく、メーカーが炎上しています。
タレントはむしろ「巻き込まれてかわいそう」なくらいです。
でもインフルエンサーやメディアが炎上すると、看板そのものが損なわれてしまいます。

最近は、インフルエンサーがメーカーのコンサルに入るケースも増えています。
そうすることで、消費者のまとまったデータや炎上するかの確認ができます。インフルエンサー=「そのメーカーやブランドが知りたいユーザー知のカタマリ」です。

Q&A

Q.インフルエンサーマーケティングをやりたいと思っても、社内の上層部の理解が得られません。どう社内を説得すればいいでしょうか?
A.SNSを使って成功している社長(リアルな実績がある)を呼んで講演してもらうのがよいです。成功例を伝えましょう。
石井リナさんが運営しているCOMPASSというメディアがよいです。

Q.自分がペルソナじゃない場合、どう理解を進めたらいいでしょうか。
A.
田中さん
「サイトにご意見箱を作ってニーズを集めていました」

塩谷さん
「Twitter垢を作ってその領域の人をフォローしまくり見えてる世界を疑似体験します」

いいね!を押して最新情報をGETしよう